「密かな想い〜Innocent Essence」 文:かぐや☆ 声:白田 声香 立体:裸族 | ||
MODEL | CREDIT | |
「ただいまー」 玄関のドアを開けると、静寂がわたしのただいまを出迎えた。 「はぅ.....返事がない。」 そういえばお兄ちゃんは今日はアルバイトの日だったとふと思い出し、仕方がないので代わりに自分で 自分に「おかえりー」と呟いてまっすぐに部屋に戻っていく。 「.....ただいまー」 そして自分の部屋に戻って二度目のただいまを告げても、やっぱりわたしを待っていたのはしーんと 静まり返った空気だけだった。 「.....ケロちゃんもいないんだ。」 珍しいなと思いながらも、そこでふと今この家にいるのはわたし一人だけなんだという事に気づかされ る。 「......」 ぽつんという音が聞こえてきそうな雰囲気。何か一人だけ取り残された様な感慨に包まれながら、 とりあえず着替えようとわたしは制服に手をかけて一枚ずつゆっくりと脱ぎ始めた。 一人でいる手持ち無沙汰を誤魔化す様に、一枚、一枚いつもより丁寧に畳んだりしながら時間をかけて 着替えを続けるわたし。そしてそんな中、上着を脱ぎ終わったところでふとわたしの視線が机の上に置いてあった知世ちゃんの写真と目が合ってしまった。 「知世ちゃん、今日はしてくれなかったな.....」 独り言の様で、それでいて目の前の写真に話しかける様に呟く。その後で慌てて口を紡ぐものの、言葉として口に出てしまった事に自分でも驚きを感じてしまう。 『ケロちゃんいなくて良かったよ...』 この場に誰もいない事に対してこんな形で感謝してしまう事になるなんて思いもしなかったけど..... 「.....知世ちゃん.....」 ともあれ、そんな事を考えているうちに存在感が強くなってしまった写真の知世ちゃんの視線を感じながら、わたしはほんの少しだけ湧いてきた、くすぐったい様な緊張感と共にスカートをするすると下ろす。...それはまるで昨日の今頃の動作を繰りかえす様に。 『そういえば、昨日は学校で...』 思い出した瞬間、ぽっと顔が赤らんだ。そう、昨日は知世ちゃんと二人で誰もいない夕暮れの放課後の教室の中で..... 「.........」 最後の一枚は別に脱ぐ必要は無いのは分かっているのに、わたしは昨日の記憶を辿るように続けて最後の下着の端に指を通して、そしてゆっくりと引き下ろしていく。誰もいないのは分かっているし、きちんとカーテンも掛けているのに、何故かドキドキが止まらない。 .....でも、それも完全に脱いでしまう迄の間だけ。一糸まとわぬ姿になった後で、今度はまるで夢から覚めたような空しさがわたしを支配し始めた。そしてそのまま知世ちゃんの写真が入っているスタンドを手に取ってベッドに腰掛けると、不思議なまでに言い様のない寂しさがわたしを包む。最近は毎日の様に知世ちゃんに迫られて疎ましさすら感じ始めていたというのに、こうしていざ解放されてみると途端に知世ちゃんのぬくもりが恋しくなるなんて..... 「う〜〜〜っ.....」 鮮明に思い出せるほど記憶で覚えているのにここにはない。そんなもどかしさを埋めようと、わたしは無意識に自分の手で自分の体を包もうとさせ始めた。 「.....ん.....っ」 最初は自分自身を抱きしめる様にして、そして次から自分の肌が覚えている知世ちゃんの指の動きを再現する様にもぞもぞと動かし始める。まずは体の輪郭をなぞるように指を這わせながら、次第に手はわたしの敏感な所に伸びていって..... 「.....あっ、知世.....ちゃん.....」 その時いつも知世ちゃんがしてくれてるキスだけは1人だとどうにもならないのが不満だったけど、仕方がないのでこっちは時々目をつぶって想像力を集中させて補うことに。 『さくらちゃん...可愛い。』 『知世ちゃん.....ん.....っ』 わたしの記憶が覚えている知世ちゃんの唇の感触。もう何度か回数を重ねているだけに、まるでバーチャル・リアリティの様にわたしの唇に鮮明に伝達されていた。 『ほら.....力を抜いて、私に任せて.....』 『.....知世ちゃん、わたし.....っ』 目を閉じ、一度心を落ち着かせて知世ちゃんのことだけを考え始めていくうちに、目の前の暗闇から知世ちゃんの姿が浮き出ていくようで。 『.....大丈夫。優しく致しますから。』 いつも耳元でそう囁いてくれる台詞と共にわたしの瞼の裏に知世ちゃんとする時にいつも見せてくれる優しい笑みが広がり、 .....そして、わたしの指はいつしか頭の中で完全に知世ちゃんの指になってわたしの体を泳いでいった。 「ふぁ.....はぁ.....はぁ.....っ」 わたしの胸に伸びた知世ちゃんの手は、はじめは全体を優しく包む様に愛撫していき.....そして微弱な刺激に慣れてきた頃に不意に胸の先端を指できゅっと摘んだ。 「.....あんっ!」 その瞬間、わたしは電気が走ったような感覚と共に、びくんっと体を震わせる。 『.....ふふっ、さくらちゃんとっても敏感ですのね。』 その反応に、知世ちゃんは不意に意地悪な笑みを浮かべて、今度は大胆にわたしの感じるところを積極的に攻め始めてくる。 「知世ちゃ.....やあんっ」 最初は両手で胸の辺りを重点的に、そして次第に右手り方が滑るように脇からお腹、下腹部に降りていって、最後にわたしの一番敏感なトコロに行き着いた。 「あ.....っ!」 『さくらちゃん.....さくらちゃんのココ、もうこんなに.....くすっ。』 知世ちゃん.....そんな事.....言わないで..... 『ほら、こうしてこうすると.....まだまだ溢れてきますわ。』 「や.....あ.....だめぇっ」 慣れた手つきで、まるで生き物の様に動き回る知世ちゃんの指。何かを探り当てるかのようにゆっくりとわたしの中へ入っていく。 『もう何度こうしてお肌を重ね合わせたか.....さくらちゃんの感じる部分は良く心得てますから。』 「はぁ.....はぁ.....っ、ともよちゃ.....っ!」 知世ちゃんの言葉通り、最早わたしの感覚は知世ちゃんの指に支配されていた。知世ちゃんの指加減一つでわたしの体を自在に操られている様で。 .....そう、知世ちゃんの手の中で踊るって.....こんな感じなのかな?そんな事を思いながら。 『さくらちゃん.....ほら、聞こえますか?さくらちゃんのここから奏でられてる音色が。』 知世ちゃんの言葉通り、湿り気を増したわたしのその部分からは自分でも聞こえる程に恥ずかしい音が響いていた。 「やぁ.....恥ずかしい.....よぉっ、知世ちゃん.....っ」 部屋が静まりかえっている所為か、その音が不思議な位はっきりと聞こえてきてわたしの羞恥心を更に煽っていく。でも、それが逆にわたしの体に火を付けているのも確かで。 『.....それでもたくさん感じてる.....違いますか?さくらちゃん?』 .....そう。恥ずかしがりながらも、わたしは知世ちゃんの指を自ら受け入れていた。.....知世ちゃんにもっとして欲しい.....知世ちゃんの指でわたしをもっと.....感じさせて..... 『さくらちゃん.....くす。 返事は言葉になって知世ちゃんに届かなかったのに、知世ちゃんは自分の満足いく返答を受け取ったかの様に満足気味な笑みを浮かべ、 『.....もう何もおっしゃらないで下さいな。』 これ以上の言葉を紡ぐことなく、ただひたすら指を動かすのに集中し始めた。言葉で無くて、わたしの体に直接確信を求めている、そんな意志をわたしの感覚が受け止めていた。 「はぁ.....っ、知世ちゃん.....知世ちゃん.....っ!」 そして、気付けばわたしも一心に知世ちゃんの事を考えながら、次第に体が更に熱くなるような感覚と共に没頭していき、 「.........っ!!」 .....やがて頭が真っ白になった感覚と共に、わたしは登りつめた。 「はぁ.....はぁ.....」 何となく満たされたような満足感と共に、やっぱり知世ちゃんのいない寂しさが改めてわたしの心と体を取り巻いていく。いくら知世ちゃんの事を想像してたとは言っても、やっぱり本当に知世ちゃんがしてくれた時とは全然違う。 「結局、知世ちゃんじゃないとダメなのかな.....?」 .....いつの間にか側にいる事が当たり前になってた知世ちゃん。そして、ある日突然一線を越えてみようと遊びに行ったわたしを押し倒した知世ちゃん。正直不安や戸惑いもあったけど、でもこうして不意に独りになってしまったら..... 『.....知世ちゃんも、同じなのかな?』 そしてもう一度知世ちゃんの顔を思い浮かべる。 .....きっと、同じなんだろうな。.....うん、きっと。 だから..... 『.....明日は、わたしから誘ってみようかな.....』 知世ちゃん、驚くかな? ************おわじ | ||